Classici giapponesi con furigana
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もん
門
Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate
そうしてその倦怠の慵い気分に支配されながら、自己を幸福と評価する事だけは忘れなかった。倦怠は彼らの意識に眠のような幕を掛けて、二人の愛をうっとり霞ます事はあった。けれども簓で神経を洗われる不安はけっして起し得なかった。要するに彼らは世間に疎いだけそれだけ仲の好い夫婦であったのである。
彼らは人並以上に睦ましい月日を渝らずに今日から明日へと繋いで行きながら、常はそこに気がつかずに顔を見合わせているようなものの、時々自分達の睦まじがる心を、自分で確と認める事があった。その場合には必ず今まで睦まじく過ごした長の歳月を溯のぼって、自分達がいかな犠牲を払って、結婚をあえてしたかと云う当時を憶い出さない訳には行かなかった。彼らは自然が彼らの前にもたらした恐るべき復讐の下に戦きながら跪ずいた。同時にこの復讐を受けるために得た互の幸福に対して、愛の神に一弁の香を焚く事を忘れなかった。彼らは鞭たれつつ死に赴くものであった。ただその鞭の先に、すべてを癒やす甘い蜜の着いている事を覚ったのである。
宗助は相当に資産のある東京ものの子弟として、彼らに共通な派出な嗜好を、学生時代には遠慮なく充たした男である。