Classici giapponesi con furigana
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もん
門
Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate
九
「いいえ、ちっとも」と御米が答えた。
「兄さんみたようになれたら好いだろうな。不平も何もなくって」
御米は特別の挨拶もしなかった。小六はそのまま起って六畳へ這入ったが、やがて火が消えたと云って、火鉢を抱えてまた出て来た。彼は兄の家に厄介になりながら、もう少し立てば都合がつくだろうと慰めた安之助の言葉を信じて、学校は表向休学の体にして一時の始末をつけたのである。
九
裏の坂井と宗助とは文庫が縁になって思わぬ関係がついた。それまでは月に一度こちらから清に家賃を持たしてやると、向からその受取を寄こすだけの交渉に過ぎなかったのだから、崖の上に西洋人が住んでいると同様で、隣人としての親みは、まるで存在していなかったのである。
宗助が文庫を届けた日の午後に、坂井の云った通り、刑事が宗助の家の裏手から崖下を検べに来たが、その時坂井もいっしょだったので、御米は始めて噂に聞いた家主の顔を見た。髭のないと思ったのに、髭を生やしているのと、自分なぞに対しても、存外丁寧な言葉を使うのが、御米には少し案外であった。
「あなた、坂井さんはやっぱり髭を生やしていてよ」と宗助が帰ったとき、御米はわざわざ注意した。