Classici giapponesi con furigana
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もん
門
Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate
それは二人の関係している或会について用事が起ったためで、女とは全く縁故のない動機から出た淡泊な訪問であった。けれども座敷へ上がって、同じ所へ坐らせられて、垣根に沿うた小さな梅の木を見ると、この前来た時の事が明らかに思い出された。その日も座敷の外は、しんとして静であった。宗助はその静かなうちに忍んでいる若い女の影を想像しない訳に行かなかった。同時にその若い女はこの前と同じように、けっして自分の前に出て来る気遣はあるまいと信じていた。
この予期の下に、宗助は突然御米に紹介されたのである。その時御米はこの間のように粗い浴衣を着てはいなかった。これからよそへ行くか、または今外から帰って来たと云う風な粧をして、次の間から出て来た。宗助にはそれが意外であった。しかし大した綺羅を着飾った訳でもないので、衣服の色も、帯の光も、それほど彼を驚かすまでには至らなかった。その上御米は若い女にありがちの嬌羞というものを、初対面の宗助に向って、あまり多く表わさなかった。ただ普通の人間を静にして言葉寡なに切りつめただけに見えた。人の前へ出ても、隣の室に忍んでいる時と、あまり区別のないほど落ちついた女だという事を見出した宗助は、それから推して、御米のひっそりしていたのは、穴勝恥かしがって、人の前へ出るのを避けるためばかりでもなかった