Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もん

門

夏目 漱石

Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate

Aozora Bunko

自分のような弱い男を放り出すには、もっと穏当な手段でたくさんでありそうなものだと信じていたのである。

小六から坂井の弟、それから満洲、蒙古、出京、安井、――こう談話の迹を辿れば辿るほど、偶然の度はあまりにはなはだしかった。過去の痛恨を新にすべく、普通の人が滅多に出逢わないこの偶然に出逢うために、千百人のうちから撰り出されなければならないほどの人物であったかと思うと、宗助は苦しかった。また腹立たしかった。彼は暗い夜着の中で熱い息を吐いた。

この二三年の月日でようやく癒りかけた創口が、急に疼き始めた。疼くに伴れて熱って来た。再び創口が裂けて、毒のある風が容赦なく吹き込みそうになった。宗助はいっそのこと、万事を御米に打ち明けて、共に苦しみを分って貰おうかと思った。

「御米、御米」と二声呼んだ。

御米はすぐ枕元へ来て、上から覗き込むように宗助を見た。宗助は夜具の襟から顔を全く出した。次の間の灯が御米の頬を半分照らしていた。

「熱い湯を一杯貰おう」

宗助はとうとう言おうとした事を言い切る勇気を失って、嘘を吐いてごまかした。

翌日宗助は例のごとく起きて、平日と変る事なく食事を済ました。