Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
もん
門
Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate
ところがそれが偶然御米のために妙な行為の動機を構成る原因となった。過去一週間夫と自分の間に起った会話に、ふとこの知識を結びつけて考え得た彼女はちょっと微笑んだ。この日雨が上って、日脚がさっと茶の間の障子に射した時、御米は不断着の上へ、妙な色の肩掛とも、襟巻ともつかない織物を纏って外へ出た。通りを二丁目ほど来て、それを電車の方角へ曲って真直に来ると、乾物屋と麺麭屋の間に、古道具を売っているかなり大きな店があった。御米はかつてそこで足の畳み込める食卓を買った記憶がある。今火鉢に掛けてある鉄瓶も、宗助がここから提げて帰ったものである。
御米は手を袖にして道具屋の前に立ち留まった。見ると相変らず新らしい鉄瓶がたくさん並べてあった。そのほかには時節柄とでも云うのか火鉢が一番多く眼に着いた。しかし骨董と名のつくほどのものは、一つもないようであった。ひとり何とも知れぬ大きな亀の甲が、真向に釣るしてあって、その下から長い黄ばんだ払子が尻尾のように出ていた。それから紫檀の茶棚が一つ二つ飾ってあったが、いずれも狂の出そうな生なものばかりであった。しかし御米にはそんな区別はいっこう映らなかった。