Classici giapponesi con furigana
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いんじゅう
陰獣
江戸川 乱歩
Leggi 陰獣 (いんじゅう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.968 caratteri · 131 schermate
と口を入れた。六郎氏の過失死の所では、彼女は非常に驚いて、真青になり、口も利けない様子であった。だが、すっかり読んでしまうと、彼女は暫くは「マア」と云ったきり、ぼんやりしていたが、やがて、その顔にほのかな安堵の色が浮んで来た。彼女は大江春泥の脅迫状が贋物であって、最早や彼女の身に危険がなくなったと知って、ほっと安心したものに相違ない。私の手前勝手な邪推を許すならば、彼女は又、六郎氏の醜悪な自業自得を聞いて、私との不義の情交について抱いていた自責の念を、いくらか軽くすることが出来たに相違ない。「あの人がそんなひどいことをして私を苦しめていたのだもの、私だって……」という弁解の道がついたことを、彼女は喜んだに相違ない。
丁度夕食時だったので、気のせいか彼女はいそいそとして、洋酒などを出して、私をもてなして呉れた。私は私で、意見書を彼女が認めてくれたのが嬉しく、勧められるままに、思わず酒を過した。酒に弱い私は、じき真赤になって、すると私はいつも却って憂欝になってしまうのだが、余り口も利かず、静子の顔ばかり眺めていた。静子は可なり面やつれをしていたけれど、その青白さは彼女の生地であったし、身体全体にしなしなした弾力があって、芯に陰火の燃えている様な、あの不思議な魅力は、少しも失せていなかったばかりか、其頃はもう