Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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がん

雁

森 鴎外

Leggi 雁 (がん) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 73.950 caratteri · 147 schermate

Aozora Bunko

「あの今晩は檀那様がいらっしゃらないだろうと思うから、お前内へ往って泊って来たけりゃあ泊って来ても好いよ」お玉は重ねてこう云った。

「あの本当でございますの」梅は疑って問い返したのでは無い。過分の恩恵だと感じて、この詞を発したのである。

「※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)なんぞ言うものかね。わたしはそんな罪な事をして、お前をからかったり何かしやしないわ。御飯の跡は片附けなくっても好いから、すぐに往っても好いよ。そしてきょうはゆっくり遊んで、晩には泊ってお出。その代りあしたは早く帰るのだよ」

「はい」と云ってお梅は嬉しさに顔を真っ赤にしている。そして父が車夫をしているので、車の二三台並べてある入口の土間や、箪笥と箱火鉢との間に、やっと座布団が一枚布かれる様になっていて、そこに為事に出ない間は父親が据わっており、留守には母親の据わっている所や、鬢の毛がいつも片頬に垂れ掛かっていて、肩から襷を脱したことのめったに無い母親の姿などが、非常な速度を以て入り替りつつ、小さい頭の中に影絵のように浮かんで来るのである。

食事が済んだので、お梅は膳を下げた。