Classici giapponesi con furigana
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エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Leggi 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.169 caratteri · 43 schermate
同時に船橋から電話が来て、すぐに半運転を全運転に切りかえる。霧笛をやめる。探照燈を消す。機関室は生き上ったように陽気になった。一等運転手の声が電話口に響いた。
「石炭はドウダイ」
「桑港まで請け合うよ。霧は晴れたんかい」
「まだだよ。海路は見通しだが空一面に残ってるもんだから天測が出来ねえ」
「位置も方角もわからねえんだな」
「わからねえがモウ大丈夫だよ。サッキ女帝星座が、ちょうどそこいらと思う近処へウッスリ見えたからな。すぐに曇ったようだが、モウこっちのもんだよ」
「アハハハ。S・O・Sはどうしたい」
「どっかへフッ飛んじゃったい。船長は晩香坡から鮭と蟹を積んで桑港から布哇へ廻わって帰るんだってニコニコしてるぜ」
「安心したア。お休みい……」
「布哇でクリスマスだよオオ――だ……」
「勝手にしやがれエエ……エ……だ……」
「アハアハアハアハアハ……」
ところがこうした愉快な会話が、霧が晴れると同時にグングン裏切られて行ったから不思議であった。
夜が明けて、霧が晴れてから、久し振りに輝き出した太陽の下を見ると、船はたしかに計算より遅れている。しかも航路をズッと北に取り過ぎて、晩香坡とは全然方角違いのアドミラルチー湾に深入りして雪を被った聖エリアスの岩山と、フェア・ウェザー山の中間にガッチリと船首を固定さしているのには呆れ返っ