Classici giapponesi con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate
桜を散らすとんだ夜嵐……。」
「先生、とにかく境内を一まわり奥山辺までお供を致そうじゃ御在ませんか。」
「そうさな。人の難儀を見て置くも気の毒ながらまた何ぞ後の世の語草になろうも知れぬ。どれぶらぶら参ろうか。」
三人は歩き出した。雷門前の雑沓はどうやら静まった様子であるが、まだこの辺をばあちこちと不安な顔付して行交う人たちの口々に、町木戸の大番屋で召捕れた売女の窮命されている有様が尾に鰭添えていかにも酷たらしく言伝えられている最中である。種彦を先に種員と仙果は雷門を這入って足早に立並ぶ数珠屋の店先を通過ぎ二十軒茶屋の前を歩いて行ったが、いつも五月蠅ほどに客を呼ぶ女供はやがて仁王門を這入った楊子店も同じ事で、いずれも真蒼な顔をして三人四人と寄合いながら何やらひそひそ話合っていると、土地の顔役らしい男がいかにも事あり気に彼方此方と歩き廻っていた。しかし何と言ってもさすがは広い観音の境内、今方そんな騒ぎのあったとも心附かぬ参詣の群集は相も変らず本堂の階段を上り下りしていると、いつものように、これも念仏堂の横手に陣取った松井源水、またはかの風流志道軒の昔より境内の名物となった辻講釈を始めとして、その辺に同じように葭簀張の小屋を仕つらえた乞食芝居や桶抜け籠抜などの軽業師も追々に見物を呼び集めている処であった。