Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うんなんしゅびへい

雲南守備兵

木村 荘十

Leggi 雲南守備兵 (うんなんしゅびへい) di 木村 荘十 (きむらそうじゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.859 caratteri · 76 schermate

Aozora Bunko

「これは旅費なり避難民の証明なりにするがいい。国境はとても警戒が厳重だろうが、柳城へ行くと云って澳門に出るのは割に楽な筈だ……澳門でこの人を頼って行けば、又新しい道も開ける。わしが誓って保証の出来る人物だ。そして二人の子供達は、上海の盲唖学校へ入れるように頼んで置こう」

孫永才は、流石に脱走となると、一抹の寂しさを感じない訳には行かなかった。だが、この蒋政権に、将領に、今更何の未練があろう。彼はもう決心すると老人の厚意を泣いてうけた。

「道は遠いぞ、だが、そこにお前さん達はきっと明るい世の中を見つけるだろう」

老人は、一匹の驢馬に錫をつけて手をとり合って行く三人を、小屋の見えなくなるまでついて行った。

「老人もお達者で……」

「有難う」

老人は、振返り遠ざかる孫永才を、銃声の聞える丘の上で見送っていた。

彼は、赤黄いろい灯が点の様になってもまだそこに立っていた。

蝸牛角上何事をか争わん……石火光中此の身を寄す……富に随い貧に随いしばらく歓楽す……口を開いて笑わざるは是れ痴人のみ……老人は、何時かそんな詩を低吟していた。

が、老人はうたいながら、わしももう、これを誦った詩人と同じように古くなったと思った。