Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Leggi 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.550 caratteri · 203 schermate
悲運を見つめる
たいということです。」
「地に吹きおとされた林檎が、人間の魂の糧になる。――なるほど、これはすばらしい。是非実現してもらいたいものですね。」
「しかし、私のような若い者が、そんなことを考えるのは、おそろしく思いあがったことのようにも思えますので、なお十分考えて見た上でのことにしたいと思っています。」
私は、その言葉でいよいよ頭がさがりました。そして青野君にわかれて汽車にのってからも、いくたびとなく同君の言葉を心の中でくりかえしながら、悲運に処する道についていろいろと考えて見ました。
悲運を見つめる
なによりも私の心にひびいたのは、青野君が颱風の日に、林檎が吹きおとされるのを「じっと見つめていた。」ということでした。これはなみなみならぬ心境だと思います。たいていの人は、そんな場合になると心も態度もみだれがちになり、むだだとわかりきっているのに、そこいらをかけずりまわったり、泣いたり、ののしったり、ため息をついたり、いろいろと狂気じみたことをするものであります。しかるに青野君は、おそって来た災害をじっと見つめていました。自分で「気が狂いそうだった。」といっているほど苦しみながらも、じっとそれを見つめていた態度は、実に見上げたものだと思います。