Classici giapponesi con furigana
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せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Leggi 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.550 caratteri · 203 schermate
二
」
「さようでござります。それ以来、心に微塵ほどのくもりも湧きませぬ。」
「たわけ者!」
法眼の声は奔雷のように、玄則の耳に落ちて来た。
玄則は、思わず身ぶるいした。しかし、彼の持ち前のきかぬ気が、すぐに盛りかえして来た。そして、きっとなって、法眼をまともに見かえした。
「そのざまは何じゃ。もし仏法がそのようなものであったら、今日まで、よもや伝わっては居らぬぞ。」
法眼の声は、前ほど高くはなかったが、玄則の胸には、大きな石がのしかかって来るように感じられた。
「そのようななま悟りで、よくも拙僧のもとで、三年もの間、ぼやぼやと暮らして居られたものじゃ。鼻もちならぬぞ。出て行け。出て行けというたら、出て行かぬか!」
法眼の声は、坂をころがる石のように、一語は一語より烈しくなって、玄則に立ち直る隙を与えなかった。
二
玄則が、強いて肩をそびやかしながら、山門をあとにしたのは、それから間もなくであった。法眼は、
「あいつ、出たきりもどらぬとすると、惜しいものじゃが、それも仕方がない。」
と、心の中で嘆息した。
一方、玄則は、あらあらしく土を踏みながら、山を下っていた。