Classici giapponesi con furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate
二
その翌暁には前夜のそれとは見まごうばかりの落剥した灰色の姿に変わって、三々五々蕭条とまた丸山へ戻って行くのであった。
「さあ、こっちもそろそろお出かけなさるか。今夜こそ一ちょあれをかいてやらんにゃ。」
「何を。」と裕佐は「もうここへは決して二度と来まい」と心につぶやきながらいってたち上がった。
「おらんだ屋敷さ。『紅毛人遊興の図』だ。」
孫四郎はこういいながら半紙をとじた帳面をふところに入れ、矢立ての墨をあらためて腰にさすと、変に興奮したていで衣紋掛けの羽織をとって引っかけた。
「まあ、またお出かけ。萩原さん誘惑されないように用心なさいよ。」
出て来た夫のいで立ちを見ると細君は光る目で裕佐の方を見ながらこうほほえんだ。
「へ、へ、誘惑されちゃいけませんは皮肉だな。」孫四郎はのび上がって行列の方を見ながら、「どうだ。いっしょに行くか。童貞の青年。」
「いや、僕はここで失敬します、ではまた。」
裕佐は細君の方に向かってこういうと、薄暗い人ごみの中にすぐ姿をかくしてしまった。
二
「おれは弱すぎる。なぜこう人を求めるのか。あとで必ず後悔することがわかっているくせに。」