Classici giapponesi con furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate
三
島へ行きたいのか。」
「ある女を見たいんだ。だけど行っちゃあげないよ。」
そして彼が去ろうとした時、目の前にあって手に取るようにみだらな高声の聞こえて来るオランダ屋敷の二階に女の叫び声が聞こえて、けたたましい足音と同時に大きな菊の鉢が窓から落ちた。そして石に砕ける音がした。一時しんとした後、猫を抱いた日本の女の小さい顔と、その上にのしかかった恐ろしく巨きな毛むくじゃらの男の顔とが現われ、そして彼らは何かいがみ合いながら笑って、赤いカーテンをおろした。
三
「あなた、もしや――これではなくって?」
女はふっくらした人差し指で膝の上に十字を描いた。
「なんだ、それは。」男は目を円くして女の顔を凝視した。
「これよ。」と女はまた書いた。「わかってらっしゃるくせに。」
「切支丹か?」
「しっ! そんな大きな声で……」
女はあわてて制しながら眉を寄せて、あたりの気配をうかがってからまっすぐに彼の目を見て、うなずいた。
「僕が? なぜ。」
「ただ、そんな気がしたのよ。そうじゃなくって?」
「そうじゃない。あれらからいえば、僕は異端邪宗の徒だ。」
「だれでもわるいことをしようとしてる時は神聖なもののことをいったり、考えたりしたくないもんよ。