Classici giapponesi con furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate
かくて彼は思い切って自己に対する自棄な反逆から、奉行に身を売り、切支丹さがしの犬となり、踏み絵の法を案出して、奉行の歓心を得ようとした。「どうせ天国に叛いたうえは地獄の鬼となれ。」彼はそういう捨て鉢な気持ちになったのであった。
「富井さんからもうお聞きになったかもしれませんが……」
フェレラはその硫黄の灰のような色をした頤ひげを逆になで上げながら横を向いてこうボツボツいった。「あなたに一つお頼みしたいことがありまして。」
人の顔をジロジロとぬすみ見はするが、決してまともには見ず、人に顔を見られることを臆したようなふうで口ごもるごとく丁寧な言葉をつかうこの男のさまを見ると、たとえそれがこの男の「手」かと疑っても裕佐は苦しいほど気の毒になるのだった。
「ええ、わかっています。聞きました。」裕佐は急いでいった。「踏み絵のことでしょう。」
「そうです。そのことです。」フェレラは始めてほほえみを見せていった。「お願いできますでしょうか。」
その時君香が自分で茶を持ってそこへはいって来た。そして二人を見て、「いらっしゃい。今晩は。」と、にっこりほほえみながらいって茶を注いだ。