Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せいどうのキリスト

青銅の基督

長与 善郎

Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate

Aozora Bunko

」

「なるほど、近道をしたんだな。――ヤ、人がいるぞ。何か白いものが動いてるじゃねえか。」

「ぼけちゃいけねえぜ。オイ、手前さっきの酒ですっかりぼけちまやがったな。ありゃ杉の木に雪がつもったのが風で揺れるんじゃねえか。」

「そうじゃねえよ。や、提灯かな。はは。なるほどあそこに新しい塚があらア。あれだな。うめえ。うめえ。」

「なんだ、手前掘るつもりなんか。」

「わけはねえや。どうせ泥をぶっかけてあるばかりなんだからな。それに棺桶だってすぐ蓋アあけられるように釘を外へ打ち抜いてあるんだからひっぺがすなア造作はねえや。」

「ふむ。そりゃ自家の者が頭陀袋を取りはずすためのことだ。もう今ごろ行ったってちゃんと本式に釘づけにしちまってあらアな。見ろ。梟めがホウホウと笑ってけつから。」

「釘づけだろうが粕づけだろうが、かもうこたアねえて。そいつをぶっこわしゃ銀の十字架かメダイが取れようってもんだ。そうすりゃそいつをつぶして銭にした上に褒美の酒手がもらえるってわけだ。」

しかし裕佐は自分の後ろに、半丁ほど離れて、二人の婦人らしい人影がついて来るのを見た。彼はちょっと立ちどまり、そして彼らがその墓地へ、その新塚へ行く者であるかどうかを見届けようとした。