Classici giapponesi con furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate
一二
」
そして二人は顔を見合わせてまたにやりと笑った。
「茂木までは少し大変だな。それに風も出て来た。」裕佐はつぶやくようにこういってちょっと外をのぞいたが、主婦のところへ行って茶代を払うふりをしながらそっとその手に銀貨を握らせた。そして今夜この近くに切支丹の集まりがあるのを知らないかと低くおごそかにたずねた。主婦は目を円くし、銀貨と彼の顔を見比べていたが実際何も知らない様子であった。
裕佐は外へ出た。
一二
雪はもうやんでいた。そしてサラサラと淡雪をふり落とす松の梢の上に高く、二三の星が深淵の底に光る金剛石のように寒くまたたいていた。
彼は急ぐというよりむしろ走っていた。そして発作的になんべんも後ろを振り返った。彼らが自分の跡をつけて来ないということは彼にはいっそう無気味なことであった。彼らはいやに余裕綽々としている。そしてすべてを見抜いているらしい。信徒の集会所は茂木であると彼らはいっているが果たしてほんとうにそう思っているのであろうか。しかしもし今夜の集会所を彼らが知っているとするならば、彼らはなんであんな空とぼけてまでそれを探ろうとするのであろう。