Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おんぱのさつじん

音波の殺人

野村 胡堂

Leggi 音波の殺人 (おんぱのさつじん) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.399 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

巨大な音響殺人機

「あ、織戸さん、丁度宜いところだ、長島若菜が殺されましたよ」

「えッ、あの甘美な流行歌を唄う、悩ましいレコード歌手かい」

「早坂が電話で送っただけは書けたが、これじゃ朝刊が淋しい、警視庁へもう一人、所轄署へ一人、それから代官山の現場へ写真班と記者を二人ずつやって下さい、楽壇方面――大御所の天野さんと、レコード会社の文芸部主任と、其辺は電話で間に合せるようにしましょう」

「有難う、それで大体宜かろう、ところで長島若菜には長島博士という夫があった筈だが――」

「二年も前に別れたんでしょう、あの甘酸ぱい女が学者の女房で納まって居るものですか」

「いや、別居はして居るが、離縁にはなっていない筈だ、誰かやり度いが、――人手はもう一杯か、千種君」

「勇もそれを気にしていましたよ、――僕が行って来ましょう」

「君が?」

千種はもう社会部長の地位も忘れて、外套と帽子を取って居りました。はやり切った猟犬のような心理です。

巨大な音響殺人機

理学博士長島長太郎は、別居している妻の若菜とは、全く異った世界に住むような人種でした。若菜が世にも悩ましく美しく――これは化粧効果を形容した言葉で、若菜の顔の生理的評価ではありません――やるせなき様子に対して、長太郎博士は、言いようも無くむくつけき、今様浅黄裏の紳士だったのです。