Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.406 caratteri · 27 schermate
……万和は、たとえ娘が死んでも、いちど約束したのだから婿も同然と母家から離れた数寄屋のひと構えに金三郎を住わせ、じぶんの息子のようにもてなしていた。……そうするうち、お梅の新盆。……浄心寺で一周忌の法事をして、それから墓まいり。金三郎も万和の家内と一緒に寺へ行きましたが、どうにも涙が出ていたたまらない。そっと寺から抜け出してじぶん一人で墓まいりをし、家へもどって夕闇の門口でしょんぼりと苧殻を焚いていると、ついその前を町駕籠がとおったが通りすがりになにかチリンと落して行ったような音がした。なんだろうと思って拾いあげて見ると、鳳凰を彫った金無垢の簪なンです」
「ほほう、いよいよ本筋になってきたな」
「……追いかけてみたが、駕籠は夕闇にまぎれてどちらへ行ったかわからない。しょうがないから簪を袂に入れて、じぶんのいる離家へもどって早々に寝床へ入った。……すると、だいぶ夜も更けてからホトホトと雨戸を叩くものがあるので起き出して雨戸をあけて見ると、袖垣の萩の中に死んだお梅のすぐの妹のお米が袖を引きあわしてしょんぼり立っている。どうしてこんな夜更にとたずねると、ぜひお話したいことがあって来たという。