Classici giapponesi con furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Leggi 魔術師 (まじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.264 caratteri · 280 schermate
一生涯を復讐事業に捧げた人物の行いであろうか。彼の従来の傍若無人なやり口に比べて、この無気力な態度は、余りにも烈しい相違ではないか。
そこまで考えた時、明智の胸にある恐ろしい疑いが閃いた。彼はゾッとした。「しまった」と思うと、流石の名探偵も、胸から背中から、冷たい油汗がにじみ出すのを感じた。
いや、そんな筈はない。一座の内で道化服を着ていたのは、座長の怪人丈けだ。小人数の一座に同じ風体の道化師が二人も居る筈はない。その証拠には道具方も「あれが座長だ」と云って疑う様子もなく追撃を始めたではないか。
「オイ、君は座長ではないのか」
尋ねて見ても、相手は恐怖の為に即座に返事も出来ない様子だ。
「君は一体誰だ。座長でない者が、どうしてそんな服装をしているのだ」
「座長ではありません」やっと相手が震え声で答えた。「軽業師の木野ってもんです」
それを聞くと明智は相手の兇器を無視して、飛びかかって行ったかと思うと、襟がみを掴んで、男の顔を下からの細い光線の中へ、グイとねじ向けた。見ると全く人違いだ。取るにも足らぬ若造だ。容貌は奇怪な化粧で分らぬけれど、顔の輪廓がまるで違う。