Classici giapponesi con furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Leggi 魔術師 (まじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.264 caratteri · 280 schermate
妙子さん一人の為に、君は四十年も苦労したのかね。君の目的はもっと外にあった筈だ。それを棒に振って、絞首台に上る程、あきらめのいい男でもあるまい。ハハハハハハ、そんな取引きは、悪くないどころか、君の方が大損をする訳だぜ」
賊は急所をつかれて、グッと詰った。彼の額に見る見る苦悶の色が現われた。
「ヨシ、それまで知っているなら、痩我慢はよして、ギリギリ決着の取引きをしよう。実際、俺は不意を打たれてびっくりしたのだ。偶然妙子をここへ連出してなかったら、俺は破滅してしまう所だった。この娘がいるばっかりにやっと助かるのだ。サア、妙子を売ろう。気を静めて、値をつけてくれ」
流石に悪党だ。未練らしく躊躇していない。
「君の自由か。……若しいやだと云ったら?」
「ズドンと一発、妙子と心中だ。この世がおしまいになるばかりだ」
「高い取引だ。だが、妙子さんの一命には換えられぬ。承知した。君は自由だ」
「卑怯な真似をするんじゃあるまいな」
「ハハハハハ、妙子さんを受取って置いて、君を捕縛させるというのか。安心し給え。仮令君の様な悪党に対してでも、そんなことをするのは、僕の潔癖が許さんよ。