Classici giapponesi con furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Leggi 魔術師 (まじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.264 caratteri · 280 schermate
さあ、繩を解き給え」
「だが、外に待っている連中を、どうして説き伏せるのだ。警察の奴らが、まさかこの取引を承知する筈はないぜ」
「ハハハハハ、段々弱音を吹くね。だが、あの連中は僕に任せて置き給え。君等は裏口から逃げればいいのだ。警官達は僕が表口へ集めてしまう」
か様にして、不思議な商談が成立した。
妙子は自由の身となって、兄の二郎の腕に抱かれた。二人の賊と、別室に隠れていた文代とは、手を引合って裏口へと走った。
「オイ、文代さんを大切にして上げてくれ給え。君には惜しい娘さんだ」
明智は賊のうしろから声をかけた。文代を一緒に逃がしてやるのは、何となく残りおしい感じがしたけれど、賊の実子とあっては、無理に引離す訳にも行かぬ。
賊の一団が裏口を出ぬ先に、表へ飛出した明智が、合図の口笛を吹いた。建物を包囲していた警官達が残らず集って来た。
「諸君、賊はどこかの部屋へ逃込んでいるのだ。暗いのでハッキリしたことは分らぬ。それに相手はピストルを持っているから、注意して向ってくれ給え」
警官達は、身構えをしながら、幾つかの部屋を、次から次へと探して行った。
そのひまに、賊の一団が、裏口から外の闇へと、行方知れず逃去ったことは云うまでもない。