Classici giapponesi con furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Leggi 魔術師 (まじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.264 caratteri · 280 schermate
一郎と二郎は、よろよろと立上ると、それに近づき、椅子やテーブルを投げつけ、踏みくだいて、火を消した。むせ返る煙を、少しでも少くしたかったのだ。
悉く踏み消した積りで、元の場所に帰って、グッタリと倒れたが、どういう訳か、まだ部屋の中が薄明るく、チロチロと自分達の影が動いて見える。
変だなと思って、その方を振向くと、分った分った。源次郎の骸骨の、ボロボロになった着物に火が移って、チョロチョロと鬼火の様に燃えているのだ。
着物が湿っているので、威勢よくは燃え上らぬ。青い焔が、着物の裾や袖を、人魂みたいに、不気味に這っている。
明滅する焔に、下方から照らし出された骸骨の顔は、陰影の加減で、ある時は笑い、ある時は泣き、或は落ち窪んだ目を怒らせ、今にも食いつかんばかりの、物凄い憤怒の形相となる。
妙子は失神した様に俯伏していたから、この恐ろしい光景を見なかったけれど、残る三人は、見まいとしても引きつける、死霊の怨念に、目をそらす力もなく、呼吸も止まる思いで、それを眺めていた。
突然二郎が歯を喰いしばって唸り出した。
「畜生め、畜生め」
唸ったかと思うと、彼はとうとう、物狂わしく、骸骨めがけて飛びかかって行った。