Classici giapponesi con furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Leggi 魔術師 (まじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.264 caratteri · 280 schermate
探そうにも暗闇の水の中、見当もつかねば、無闇に歩き廻る訳にも行かぬ。
水面は、腰から腹、腹から胸と、恐ろしい速度で這い上り、うっかりすると渦巻く水に足をとられそうだ。
やがて、胸から頸へと迫る水、身体が浮上って、もう立っていることも出来ない。時は極寒、凍った水がまるで鋭い刃物の様に、身にこたえる。
「お父さん大丈夫ですか」
兄弟は老いたる父を気遣い、両方から、その肥った身体を抱く様にして、時々声をかけて励ますのだ。善太郎氏は、もう観念をしたのか、物悲しい低い声で念仏を唱え始めた。
× × × × ×
地上では、一人の心利いた刑事が、どこからか太い竹竿を探して来て、その先に手頃の石を括りつけた。ピストルの丸の当らぬ様、押入れの外に身を隠して、その竹竿で怪物の手からピストルを叩き落そうというのだ。
一同ピストル射場の外に出て、息を殺していると、刑事は竿の先を押入の天井まで上げて、狙を定め、怪物の腕を目がけて非常な勢で叩きつけた。
ドシンというひどい物音。
顔をそむけ、耳に蓋をしていた文代は、この物音に、アッと悲鳴を上げた。