Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

まじゅつし

魔術師

江戸川 乱歩

Leggi 魔術師 (まじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.264 caratteri · 280 schermate

Aozora Bunko

大人というものは、浮世の雑念に捉われ過ぎて、却って本当のことが分らない。ありありと見えている物が、見えないのです」

明智は禅宗坊主みたいな云い方をした。探偵学もある意味で禅と同じ様なものかも知れない。こいつが、実際家の波越警部には一番苦手だ。彼は苦笑しながら、

「サア、そこが分らないのですよ。君の所謂『盲点』という奴でしょうが、僕には、そのありありと見えているものが、まるで見えないのです。併し、あなたには、本当にそれが見えているのですか」

と逆襲した。

「見えていますとも」

明智は平然として答えた。

「すると、つまり、君は玉村氏を殺し、一郎二郎の兄弟に毒を盛った真犯人を、知っている訳ですか」

警部の鉾先は益々鋭い。併し、明智は少しも驚かぬ。

「知っているのです」

驚いたのは警部の方だ。無理もない。この素人探偵は、警察があれ程騒いでも、片鱗さえ掴み得ぬ謎の犯人を、知っているというのだ。

「まさか冗談ではありますまいね。僕は真面目なのです」

「冗談ではありません」

「では、聞かせて下さい。その真犯人は何者です。どこにいるのです」

波越警部は、意気込み烈しくつめよった。