Classici giapponesi con furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Leggi 魔術師 (まじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.264 caratteri · 280 schermate
花園洋子
そして、目的を果して、いずれかへ立去ってしまったのだ。
アア、時計の針の断頭台。何という奇怪な、魔術師といわれる悪魔にふさわしい思いつきであったろう。鋼鉄製の剣には、心がないのだ。慈悲も情もないのだ。それは文字通り、時計の針の正確さで、そこに介在する人間の首などを無視して、秒一秒下へ下へと下って来るのだ。
叫び続ける一郎の顔は、頸動脈を圧迫されて、醜くふくれ上って来た。髪は逆立ち、血走った両眼は開く丈け開いて、今にも飛び出し相に見えた。
ミリミリと頸骨が鳴った。圧迫された気道は已に呼吸困難を訴え始めた。最早や叫ぶ力も失った。断末魔は数秒の後に迫っている。
その最後の土壇場で、彼の飛び出した目が、すぐ下に貼りつけてある紙片の文字を読んだ。そこには左の様に記してあった。
午後一時二十一分
アア、何という皮肉。賊は犠牲者が命を終る正確な時間を、そこに記して置いたのだ。何故といって、時計の長針が、覗き穴の上を通過するのが、丁度二十一分に当るのだから。
花園洋子
お話変って、丁度その時階下の一室に集っていた人々は、どこからか響いて来る微かな悲鳴を聞いた。彼等は思わず顔を見合わせて、聞耳を立てた。