Classici giapponesi con furigana
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まと
魔都
久生 十蘭
Leggi 魔都 (まと) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 293.999 caratteri · 578 schermate
「これが世に言う腐れ縁さ。勘弁して貰うより仕様がない。岩井の旦那には申訳ないが、出来てしまったものはどうするものか」
踏絵は急に眼を瞋らせ、
「いい加減にとぼけて置け」
「何だって」
「今朝の鶴子の一件はありゃどうしたんだい。なぜ鶴子が殺された? その訳をお前が知らない筈はなかろう。だからわちきは」
山木は慌しく踏絵の袖を引き、キョトキョトと給仕のいる方をぬすみみながら、
「おい、何をいい出す」
踏絵は不貞腐ったようすで煙草の煙を噴き上げながら、
「あわてるない。お前が殺したといってやしない、あまり水臭いからさ」
山木は血相を変えて、
「詰らねえことをいうな。訳があるというなら、むしろそちらの方が知ってるだろう。……ちょいと伺うがね、踏ちゃん、君は陰では鶴子の悪口ばっかりいってる癖に、どうして鶴子のところへばかりササリ込んでいたんだい。それにさ、噂に聞けば何か只ならぬ関係になっていたというじゃないか。……なんでそんな手のこんだ真似をしていたんだい」
踏絵はサッと血の気をなくして、
「やかましい。それがどうしたというのさ。そんな余計なお節介をするより、自分の身の始末でも考えるがいいや、とんちき」