Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
まと
魔都
久生 十蘭
Leggi 魔都 (まと) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 293.999 caratteri · 578 schermate
「ウム、何をいっていたのだ」
「今のあの髯の生えたのは何だ、あれは王様じゃない、と一人が申しますと、もう一人の方は、俺もそう思う、王様はもっと上品な顔で、それにもっと背が高かった。なんにしてもあんな……」
「あんな、何だ」
秀陳は手を合せ、
「おゆるし下さい」
「構わん、いえ」
秀陳は泣き出しそうな声で、
「あんな下素面ではない。……実にどうも、聞き捨てにならん事でありますから、その二人を呼びつけて厳しく叱責をいたしましたところ、その両人は一向に自説を翻えす模様がないのでござります。そこで、手前ら、両人に向い、そんな馬鹿なことはない。皇帝附き諜報部長たるこの俺がそういう以上間違いのあろう筈はないではないか、何をとぼけた事を申すか、とえらい勢いでキメつけてやりますと、両人は、今の王様が本物なら、すると、昨夕までいたのは偽の王様であろう。われわれの眼に決して狂いはないのだと、果てはふて腐ったような様子さえ示すのでござります。……事態かくの如くでござりますれば、しょせん、このままに捨て置くことが出来かねますゆえ、さまざま手を尽して取調べますところ、ああここにおいて実に容易ならん事が発覚したのでござります」