Classici giapponesi con furigana
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にしんぎょじょう
鰊漁場
島木 健作
Leggi 鰊漁場 (にしんぎょじょう) di 島木 健作 (しまきけんさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.483 caratteri · 49 schermate
ふと彼は身近になにかもののけはいを感した。高い天井に下っている石油ランプのうす暗い光のなかで、源吉はじっと目をすえて見た。すぐ彼の目の前にまるい大きな頭が横たわってい、金つぼ眼を大きく見ひらいて、またたきもせず彼の顔を見まもっているのだ。
「ああ、臭え、臭え。」
源吉が彼の存在に気づいたと知ったとき、その男は大きな掌で顔の前を払いながらいった。「安酒くらって来やがったな。」
ずけずけと言う男の言葉ではあったが、不思議に怒れないものがそのなかにあった。源吉はむすっとしたままだまっていた。
「おめえ、なんにも着ていねえな。酔いざめに冷えてはわるかんべえに。これを着るべし。」
そういって男は自分のどてらを脱いで源吉の上にかけてくれた。ことわるのも面倒くさく、彼はするがままに任せてだまっていた。寝ようとして三十分ほどそうしていたが、目がさえてもう寝つかれなかった。立上って、炊事場に行って柄杓からじかに水をのんだ。うす氷りを破ってのむ水は、灼け切った腹にいたいほどにしみた。彼はおもわずぶるぶると身ぶるいした。
寝床にかえってみると、先の男は起上って鉈豆で一服やっていた。