Classici giapponesi con furigana
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にしんぎょじょう
鰊漁場
島木 健作
Leggi 鰊漁場 (にしんぎょじょう) di 島木 健作 (しまきけんさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.483 caratteri · 49 schermate
七
「ちょっと訊きてえことがあるんだが。」
「なんだ?」
「どうしてこんだァ九一金と一緒に契約書の問題ば漁場主に持ち出さなかっただかね?」
「えれえぞ!」と山本は突然大きな声で言って、しんからうれしそうににこにこしだした。「おめえ、もうそんなことに気がついただか。」
「そりゃなア、おれもおもわねえじゃなかった。だけんどヤン衆たちアみんなこんなことにははじめてのものばっかしだべ。で、訓練がこれっぱかしもできてねえんだ。だもんであんまりいろんな問題持ち出しちゃ、まとまるめえって心配があったからわざと引っこめておいたのよ。」
七
後鰊もすんで終漁の時が来た。
腮別れ(終漁祝)には安着祝のときよりも少しは多く酒が出、漁夫たちはよっぱらってだみごえでうたをうたった。旦那の家の大広間ではあったが、今夜だけは誰はばかるものもない無礼講だった。彼らのうたう追分節や磯節には、ことしの鰊場かせぎも今日限りという、荒くれた彼らの胸にもわかずにはいない感傷がこもっていた。――旦那はその夜はついに姿を見せなかった。
ここだけでしかしすむ筈はなかった。酒も尽きて解散となると、「行ぐべ、行ぐべ、」