Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖 (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.957 caratteri · 114 schermate
とすると、この仲間われの斬合いは、まず一角六分、周馬四分の力とみて、いずれは双方斬ッつ斬られつ、相討に近いケリをつけるのがおちであろう。
闘鶏のカケ合せでも見るようにお十夜はこう考えて、冷淡に落ちついていたが、まさか、血をみるまでほうってもおけず、やッと二人をかき分けて、
「どうしたッていうんだ。周馬も一角も」
と、仔細らしく仲裁に入った。
「イヤ、どいてくれ! お十夜」
こうなると周馬は一そう息巻いて、
「あまりといえば口の過ぎた天堂の言い分、叩ッ斬ってくれねば虫が納まらん」
「片腹痛いことを、なんで貴様のようなヘロヘロ武士に」
満顔を朱にして、一角も片手にかぶった大刀を下ろそうとはしない。その太い腕節にはみみずのような血管がふくれている。
「旅先で兄弟喧嘩はよそうじゃねえか。え、一角。オイ周馬」
「ム、しかし、周馬を無事に江戸へ帰すと、阿波の内密を吹聴いたさぬ限りもない。拙者は主君のお家のためにも、この二股武士を生かしてはおけぬ」
「まさか、いくら周馬でも、そこまで悪気がある訳ではあるまい。まア、このお十夜に任しておいてくれ、周馬の気持はよく分っている」