Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖 (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.957 caratteri · 114 schermate
するとやがて、皿のような眼をして、通る旅人を見ていた手代の新吉が、
「あいつだ、もし、あいつです、あいつです」と、障子の蔭から指さして万吉とお綱に教えた。
「あ、じゃ向う側に添ってゆく、あの青髯のこい大男ですね」
「そうです、赤銅作りの脇差をさしている。あ、こっちを睨みやがった、気がついているのかしら?」
「じゃ、万吉さん、すぐ戻ってくるから、支度をして、宿屋の門まで出ていておくれ」と、どういう相談ができているのか、お綱はひとりで梯子を下りて行ったかと思うと、もう門を出て、ゴマの蠅の後になり先になりして、五、六町ほど歩いて行った。
残ったほうの万吉は、宿の勘定や旅支度など、すっかりすまして駕を頼んだ。けれど自分は乗らずにお久良と新吉だけをその中へ隠して、しばらく帳場で四方山の話をしている。
と――そこで煙草を五、六服吸ったかと思うと、お綱が、すこし微笑しながら帰ってきた。そして、結び丸めた腰帯を、
「この品でしょう?」
お久良の駕の中へ落してやった。ザクリという金の音がした。あっ――とびっくりして、うれしまぎれに駕から飛びだそうとするのを、万吉が抑えるようにして、