Classici giapponesi con furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Leggi 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) di 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.693 caratteri · 377 schermate
これは後に聞いた話であるが、かくの如く私どもその他の船客が上陸したのは、かねてより設けられた罠に掛ったので、前にもいう通り船賃は請負であるから、もしも航路の日数が多くなれば、食料の点で損をする。そこでなるべく乗客は中途で下す方が都合が好い。中途で下りるのは自己の勝手だから、定めの船賃は返さない。かような関係から最初発航した港から次の港へ着くまでは、聊かの風波があればこれに乗じてなるべく船の動揺を烈しくし、次の港へ着いてはこの暴風ではいつ出船するか分らぬという風を見せるために、港の料理屋で酒を飲み女を買うなどという事もして、つとめて気長き態度を装い、乗客をして散々風波で苦んだ末この船にいつまで居ることかと懸念を生ずる所から、遂には船賃を無駄にしても上陸するという心を起さしめるのである。而してそれらの人を吐出すと同時に船はその日にも出帆するのであった。
岡山城下は長い町で、ちょうど五月であったから、両側の軒先に幟を立てていた。いずれも見上げるような大きな物で、中には糸を網のように編んでそれへ鯉とか人物とかを貼付けたのもあった。これは江戸にも藩地にも例のない珍らしいものであった。