Classici giapponesi con furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Leggi 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) di 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.693 caratteri · 377 schermate
八
藩の船手は一人だけ乗組んでいた。前にもいった如く藩の船なら船手も数人いて、藩地の浦々で徴発するかこに向っては頗る威張ったものであるが、この商船となると自分一人であるので、隅に小さくなっていて何事も差図などはせない、全くお客様という顔をしていたのは、誰もひそかに笑った。
この航路は天気もよく、存外早かったが、ある港で潮待をしていた時、近所に碇泊している或る船の中で味噌汁に菜葉を入れたのを喰っていたのが、私は何だか羨ましくなり直様家来に命じ同じ味噌汁を作らせた。こんな船でもやはり米その他菜の材料などは父の手元で積込で三度の食事を弁ずるのであった。尤も大阪で藩邸の者がいわずともそれぞれ実際の支弁はしたものである。
三津浜へ着くと、親族知己が出迎えに出て、例の如く行列を立て親子駕をならべて松山の邸へ戻った。門には僕が迎え内玄関には二人の祖母や、継母、弟などが待っていて、皆快復して帰ったことを喜び迎えた。就中継母は涙もろい方であったから、父や私が病後の衰弱した様を見ると、悲しさや嬉しさで、私を撫でながら涙を落したことを覚えている。
八
私はもう十七歳になっていたけれど、父の不在のために元服していなかったから、体が全く快復すると共に元服をした。