Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わし

鷲

岡本 綺堂

Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate

Aozora Bunko

」

こんなことを言うと、折角の縁談に水をさすようにも聞えるので、いっそ黙っていようかと思ったが、知っていながら素知らぬ顔をしているのもよくないと思い直して、ともかくもこれだけのことをお耳に入れて置くのであるから、かならず悪く思って下さるなと、三之助は言訳をして帰った。

それと入れ違いに由兵衛が帰って来たので、お峰は早速にその話をすると、由兵衛も眉をよせた。淀橋と芝と遠く離れているので、井戸屋にそんな秘密のあることを由兵衛夫婦はちっとも知らなかったのである。三之助の話を聞いただけでは、そのばあさんが一途に井戸屋を恨むのは無理のようにも思われるが、今更そんなことを論じても仕様がない。ともかくそんな呪いのある家に、可愛い娘をやるかやらないかが、差しあたっての緊急問題であった。

「万屋の伯父さんはそんな事を知らないのでしょうかねえ。」と、お峰は疑うように言い出した。

「といって、三之助もまさか出たらめを言いはすまい。ほかの事とは違うからな。」と、由兵衛も半信半疑であった。

万屋はお峰の伯父である。三之助は由兵衛の弟である。お峰としては伯父を信じ、由兵衛としては弟を信じたいのが自然の人情で、夫婦のあいだに食い違ったような心持がかもされたが、それで気まずくなるほどの夫婦でもなかった。