Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
殊に雁や鴉とはちがって、いかにそれが江戸時代であっても、仮りにも鷲と名のつくほどのものが毎日ぞろぞろと繋がって来る筈がない。けさ三羽の仔鷲が相前後して飛んできたのは、一季に一度ぐらいの異例といってよい。それを撃ち洩らした以上、この後は三日目に一羽来るか、七日目に一羽来るか、あるいは十日も半月もまったく姿をみせないか、ほとんど予測しがたいのである。そうなると、ゆうべと今朝の失敗がいよいよ悔やまれるのであるが、多年の経験によって弥太郎は若侍らを励ますように言い聞かせた。
「ゆうべも一羽来た。けさは三羽来た。そういうふうにかれらが続けて来る年は、その後も続けて来るものだ。何かの事情で、かれらの棲んでいる深山に食い物が著るしく欠乏した為に、二羽も三羽もつながって出て来たのであるから、まだ後からも続いて来るに相違ない。決して油断するな。ことしは案外獲物が多いかも知れないぞ。」
人々も成程とうなずいた。しかもその日は一羽の影を見ることもなくて暮れた。角蔵が来るかと又次郎は待っていたが、彼も姿をみせなかった。娘が乱心のことを女親のまえでは何分にも言い出しにくいので、父を呼んでひそかに言い聞かせようと待ち受けていたのであるが、角蔵はついに来なかった。