Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
お骨休めに一杯召上がって下さいまし。」
一定の食膳以外に、酒肴の饗応にあずかっては相成らぬという掟にはなっているが、詰所にあてられている宿許から折りおりの饗応を受けるのは、ほとんど年々の例になっているので、誰も怪しむ者もなかった。かような心配にあずかっては却って迷惑であるという一応の挨拶をした上で、めいめいに膳にむかった。もちろん、出役の武士ばかりではない。その家来も見習いの子弟もみな同様の饗応を受けるのであるから、中間どものなかには最初からそれを書き入れにしているのもあった。
又次郎も父とともに広い座敷へ出て、一同とならんで席についた。元来はあまり飲めぬ口であるが、今夜はめずらしく盃をかさねたので、次第に酔いが発してきた。彼は中途から座をはずして、人に覚られないように庭先へ出ると、十一日の月は物凄いほどに冴えていた。風がないせいか、今夜はさのみに寒くなかった。
御馳走酒に酔ったせいでもあるまいが、又次郎は近ごろに覚えないほどのいい心持になった。彼は暖かいような、薄ら眠いような、なんともいえない心持で、庭の冬木立ちのあいだをくぐりぬけて、ふらふらと表門の外へ出ると、月はいよいよ明るかった。