Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
六
お前が恋しくなって……。そこへ丁度にお前が来て……。いや、いや、こりゃあ油断ができない。こいつ、狐じゃあないか。おれが酔っていると思って馬鹿にするな。」
彼はよろけながら腰の脇指に手をかけたが、さすがに思い切って抜こうともしなかった。
「おい、焦らさないで正直に言ってくれ。おまえは狐で、おれを化かすのか。それとも本当のお島か。」
「島でございます。」
「お島か。」
「はい。」
「それで安心した。宿へ帰っては親父が面倒だ。おまえの家には病人がある。お前は土地の生れだから、いいところを知っているだろう。どこへでも連れて行ってくれ。」
若い男と女とは肩をならべて、冬の月の下をあるき出した。
六
「あ。」
和田弥太郎は持っている箸をおいて、天井をにらむように見上げた。
詰所の饗応の酒宴ももう終って、酒の盃を飯の茶碗にかえた時である。弥太郎が不意に声を出したので、一座の人々も同時に箸をおいた。
「あ、あれ。」と、弥太郎は熱心に耳をかたむけた。「あれは……。風の音でない。大きい鳥の羽摶きの音だ。」
とは言ったが、どの人の耳にも鳥の羽音らしいものは聞えなかった。
「ほんとうに聞えますか。