Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わし

鷲

岡本 綺堂

Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate

Aozora Bunko

この時、あなたの欅の大樹――あたかもかの大鷲の落ちた木かげで、奇怪な女の笑い声がきこえた。

「はは、かたきは殺された。ははははは。」

「なに、かたきが殺された……。久助、見て来い。」

久助は駈けて行ったが、やがて顔色をかえて戻って来た。彼は吃って、満足に口がきけなかった。

「旦那さま……。若旦那が……。」

「又次郎がどうした。」

「は、はやくお出でください。」

欅の大樹の前には石地蔵が倒れていた。大樹のかげには又次郎が倒れていた。そのそばに笑って立っているのは、お島の妹のお蝶であった。

第一発の弾で鷲の落ちたのは、弥太郎も久助も確かに認めた。第二発のゆくえは……。その問いに答えるべく、又次郎の死骸がそこに横たわっているのであった。弥太郎は無言でその死骸をながめていた。久助は泣き出した。お蝶はまた笑った。その笑い声の消えると共に、彼女はばたりと地に倒れた。

おくれ馳せにかけつけた人々は、この意外の光景におどろかされた。どの人も酔いがさめてしまった。

又次郎は急病ということにして、その死骸を駕籠に乗せて、あくる朝のまだ明けきらないうちに江戸へ送った。駕籠の脇には久助が力なげに附添って行った。