Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
「突然発狂したのではないか。」と、父は言っていました。
兄の夏夫さんも非常に心配してくれまして、その後も出来るかぎりの手段を尽くして捜索したのですが、やはり無効でございました。その当座はどの人にも未練があって、きょうは何処からか便りがあるか、あすはふらりと帰って来るかと、そんなことばかり言い暮らしていたのですが、それもふた月と過ぎ、三月と過ぎ、半年と過ぎてしまっては、諦められないながらも諦めるのほかはありません。
その年も暮れて、わたくしが二十一の春四月、夫がゆくえ不明になってから丸一年になりますので、兄の方から改めて離縁の相談がありました。年の若いわたくしをいつまでもそのままにしておくのは気の毒だというのでございます。しかし、わたくしは断わりました。まあ、もう少し待ってくれといって――。待っていて、どうなるか判りませんが、本人の死んだのでない以上、いつかはその便りが知れるだろうと思ったからでございます。
それから又一年あまり経ちまして、果たして夫の便りが知れました。わたくしが二十二の年の十月末でございます。ある日の夕方、松島さんがあわただしく駈け込んで来まして、こんなことを話しました。