Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Leggi 黒百合 (くろゆり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 78.148 caratteri · 154 schermate
可恐しきものの巌を切る音は、肝先を貫いて、滝の響は耳を聾するようであった。
羽撃聞えて、鷲は颯と大空から落ちて来た。頂高く、天近く、仰げば遥かに小さな少年の立姿は、狂うがごとく位置を転じて、腕白く垂れたお雪の手が、空ざまに少年の頭に縋ると見た。途端に巌は地を放れて山を覆えるがごとく、二人の姿はもんどり打って空に舞い、滝の音する森の中へ足を空に陥ったので、あッと絶叫したが、理学士は愕然として可恐い夢から覚めたのである。
拓は茫然自失して、前のまま机に頬杖を突いた、その手も支えかねて僵れようとしたが、ふと闇のままうとうとと居眠ったのに、いつ点いたか、見えぬ目に燈が映えるのに心着いた。
確かに傍に人の気勢。
五十九
「誰だ、」と極めて落着いて言ったが、声は我ながら異常なものであった。
急に答がないので、更に、
「誰だ。」
「はい、」と幽かに応えた。
理学士が一生にただ一度目を開いて見たいのは、この時の姿であった、今のは疑も無いお雪である。
これを聞いて渠は思わず手を差延べて、抱こうとしたが、触れば消失せるであろうと思って、悚然として膝に置いたが、打戦く。