Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くろふねぜんご

黒船前後・志士と経済他十六篇

服部 之総

Leggi 黒船前後・志士と経済他十六篇 (くろふねぜんご) di 服部 之総 (はっとりしそう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.901 caratteri · 247 schermate

Aozora Bunko

が、結局のところ大西洋を――他人の洋を――稼がねばならん破目となった。

そこには一八三七年以来の歴史をもつキュナード汽船が、ことに最近、多年の競争相手だった米国コリンス会社を完全にノックアウトした(一八五八年)ほどの実力――柄は小さいがサーヴィスは満点という娘盛りの一大船隊を擁して控えていた。

そこで当然、「グレート・イースタアン」にべらぼうな積載容力があればあるほどいよいよ算盤が合わなくなる、という悲劇が生じてきた。そもそもが客と貨物を満載せんことにはやってゆけないはずにできていたのだ。

そのうち、棄てる神あれば助ける神、という小市民的譫言を、助けるような出来事が降って湧いた。旅客でも貨物でもなく、どんな種類の「商品」でもなくたんに一個の使用価値にすぎないところの山のごとき物品を積込む日が、「グレート・イースタアン」を訪れた。商品ではないから、したがってまた「運送」するのでもない。山のごとく積込んだ物を順繰りに大西洋の底へ沈めてゆく「グレート・イースタアン」は、もはや何らの「商船」でもない。皮肉な運命にもてあそばれて商船としては見事落第した彼女がいまは工作船として――海底電線の敷設船として、思いもかけぬ能力を発揮しつつあったのである。