Classici giapponesi con furigana
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エスみさきせいようふじんこうさつじけん
S岬西洋婦人絞殺事件
夢野 久作
Leggi S岬西洋婦人絞殺事件 (エスみさきせいようふじんこうさつじけん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.951 caratteri · 52 schermate
ヘイ。二日酔の気持とは丸で別なんで……ヘイ。勿体ない大恩人のお子さん御夫婦を殺すなんて大それた事を何で致しましょう。ロスコーさんの御夫婦には相当の財産が在ったには違い御座んせぬが、それがどこにどうして在るのやら私とは関係も御座んせぬし、知りも致しませぬ。
私は今年七十一になりますが、そんな事をして娘や養子の一生涯に泥を塗るのが、どんなに馬鹿馬鹿しい、算盤に合わない話かわからないほど耄碌いたしてはおりませぬつもりなんで……ヘイ。どうぞ真平、御勘弁を……」
物語を終った東作爺が、煙草をモウ一本吸わしてもらって、熱いお茶を一杯御馳走になってから署長室を出て行くと、署長は心持赤面しいしい事件全体についての意見を、犬田博士に問うてみた。それにつれて列席していた判検事、特高課員、司法主任の連中も犬田博士の意見に対して敬意を払い初めたらしく眼を輝やかして固唾を呑んだ。
しかし犬田博士はこの時に、まだ多くを云わなかった。
「これは案外平凡な事件かも知れませんな。……とにかく御差支のない限り、御都合のいい日に、今一度現場を見せて頂けますまいか。今些したしかめて見たい事もありますし、何か御参考になる事が見付かるかも知れませんから……」