Classici giapponesi con furigana
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まるまるじゅう
○○獣
海野 十三
Leggi ○○獣 (まるまるじゅう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.139 caratteri · 43 schermate
蟹寺博士の鑑定
火災報知器が鳴らされた。ものすごい物音に起きてきた野次馬の一人が、気をきかしたつもりで、その釦を押したのだろう。
その騒ぎのうちに、ビルディングはすこしずつ崩れていって、やがて大音響をたてると、月明の夜が、一瞬に真暗になるほど恐ろしい砂煙をあげてその場に崩潰してしまった。まるで爆撃されたような惨澹たる光景であった。
「一体、これはどうしたというわけだ」と、駈けつけた人々は叫んだ。
「まさか白蟻がセメントを喰べやしまいし、ハテどうも合点のゆかぬことだ」
誰も、この東京ビル崩壊事件の真相を知っている者はなかった。
まるで夢のような、銀座裏の怪奇事件であった。
蟹寺博士の鑑定
東京ビルの崩壊は、崩れおちるまでに相当時間が懸ったので、幸いにも人間には死傷がなかった。警視庁からは、水久保捜査係長が主任となって、この原因の知れないビルの崩壊事件を調べることになった。
「どうも分らない。殺人事件の犯人を捜す方がよっぽど楽だ」と、智慧の神様といわれている水久保係長も、あっけなく冑をぬいでしまった。
山ノ内総監も「分らない」という報告を聞いて不興気な顔をしてみせたが、さりとてこれがどうなるものでもなかった。