Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
血を絞った痕なのである。
桂子は右手に小刀を握ると、刃の先で左の腕を引いた。
血が柘榴の果実のように産まれ、次々に産まれて紅紐のようになった。
壺の中へしたたらせた。
彼女は写経をつづけて行った。
彼女の写経は血書きなのであった。
でも何んのために血書きなどという、荒々しい写経をするのであろう?
この頃宮方では朝権恢復、鎌倉幕府討滅の、再度の計を企てられ、その最初の手段として、この年早々に法勝寺の円観、小野の文観、南都の知教、浄土寺の忠円、教円などという、名だたる高僧知識をして、北条家調伏の修法をせしめた。
もっともこの企ては宮方の一人、吉田定房の密告によって、北条氏の知るところとなり、その首謀者と目されたところの、藤原俊基その人と共に、如上の僧侶たちは捕縛され、京から鎌倉へ護送されたが、なお北条家では心休まらず、わけても両六波羅では不安にたえず、宮方が調伏で向かうなら、こっちも調伏で向かってやろうと、鬼火の姥にそれを命じた。
姥は勇んで引き受けた。
そうして比叡山の洞窟にこもって、その調伏にとりかかった。
と探り知った桂子は、
(ではわたしは観音経の血書き、これ一つで姥の調伏に向かい、その調伏を破ってやろう)