Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
そう、今は気も心も折れて、ただ悲しさに打ち勝たれて、地に冷たく額を押しあて、咽び泣いている浮藻の姿は、つかねられた装束さながらであった。
しかし浮藻の頭の横に、石像のように立つものがあった。
少し以前から物の蔭に佇み、あさましく凄じい姉妹二人の、恋の争いを見聞きしていたが、出場を失って出かねていたところの、大蔵ヶ谷右衛門がこの時出て、浮藻の傍に立った姿――その姿に他ならなかった。
大鉞を地について、その柄の石突きに両手を乗せ、その手の甲へ頤をのせ、黙然として動かなかった。
が心では考えていた。
(これもみんな小次郎のためだ!)と。
そうして窃かに決心していた。
(今こそ鉞へ血を吸わせてやろう)と。
(彼さえなくば主人ご姉妹に、みにくい争いは起こるまい!)
(小次郎は俺が殺す!)
――この時桂子の右の手から、如意が足もとへ力なく落ちた。
(あさましさよ!)
と彼女は思った。
(救いはないか※(感嘆符疑問符、1-8-78) 救いはないか※(感嘆符疑問符、1-8-78))
浮藻の泣き声が高くなった。
(おおおお妹にも救いはない!)
暗い谷を越した山の中腹の、猪小屋にともされた燈の光は、この時もなお見えていた。