Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate

Aozora Bunko

「今日は陣中見舞いに来たか」

「はい、まずさようでござりまするが、実は飛天夜叉の桂子めが……」

「何?」

と陸奥守は眼を見張った。

「飛天夜叉の桂子が何とかしたか?」

「この陣中に変装しまして、紛れ入りおる由承わり、見あらわして捕えようと……」

「ほんとか?」

と陸奥守はギョッとしたように、

「飛天夜叉めがまぎれ入っておるとな?」

「入道様には飛天夜叉めを、ご存知あそばしておられますので?」

「そち鬼火の姥ぐらいには、飛天夜叉の噂も聞いておる。……若くて美しいということじゃの」

好色の大仏陸奥守なので、もうそっちへ持って行くのであった。

「その法力と通力も、そちに劣らず見事とのこと。……が、残念にも宮方だそうじゃの」

「宮方にござりまする」

「その飛天夜叉が何用あって、この陣中へなど紛れ入ったのじゃ?」

「宮方の女にござりますれば、関東方の名ある武将の、御首級掻こうと変装して……」

「ヒャッ」

と陸奥守は異様な声で叫び、自分の頸根ッ子を掌で抑えた。

「コ、こいつを掻こうというのか!」

「であろうかと存ぜられまする」

「こいつはたまらぬ、首掻かれてなろうか!」

これ以前から穢らしくて異様な、姥と範覚との出現によって、興を褪ましていた座の者は、この時ヒソヒソと囁き出した。