Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いさましいはなし

いさましい話

山本 周五郎

Leggi いさましい話 (いさましいはなし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.835 caratteri · 73 schermate

Aozora Bunko

「堂々といらっしゃいましたね」

誰かがそう云い、みんなが笑った。益山郁之助が前へ出て、やはり唇で笑いながら、敵意と軽侮の眼でこちらを見た。

「お一人ですか。介添はないんですか」

「――一人だ」

「云うこともまずいさましい」

さっきの声がまたそう云い、こんどもみんなが笑った。益山は手をあげてそれを制止し、だが自分でもにやにやしながら、

「ではやむを得ない、作法を御存じなかったのだろうから、介添はここにいる者の中から、選んであげましょう」

「――そんな必要はないさ」

玄一郎はおちついた眼で相手を見た。

「――私は一人でいい」

「しかし自分で勝負の始末はできないでしょう」

「――もうしてあるよ」

適度にまをおいた平静な調子で、激しさや強さの少しもない、閑談でもしているような口ぶりだった。

「――断わっておくほうがいいと思うが、こちらの作法は知らないけれども、江戸では中途半端なことはしない、武士が刀を抜くからには、相手を斃すか自分が死ぬか、この二つ以外には勝負はない、……介添人というのは死躰の始末をする役で、これは出がけに家人へ命じて来た、必要がないと云ったのはそのためだ」