Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

おばなさわ

おばな沢

山本 周五郎

Leggi おばな沢 (おばなさわ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.479 caratteri · 45 schermate

Aozora Bunko

七

「極秘も極秘だが節子は病人じゃないか、ようやく少しおちついたところへそんな話をして、また悪くでもなったらどうするんだ」

「お兄さま違います。節子がむりにお願いしたんですわ、そうでもないと不安で」

「おまえは黙っていろ、ものにはけじめということがある、どうせがまれたからといって藩家の秘事を、しかもこんな病人に向って饒舌るという法があるか、もう時間も過ぎている、戸田、帰って呉れ」

泰馬は仮借しない態度で英之助の立つのを待っていた。そうしてまるで追いたてるように、彼を先にして去っていった。

七

英之助の話は節子には刺激がつよ過ぎた。しかし病気にはさしたる影響はなく、却って気持がしゃんとなったようにさえ感じられた。しっかりしなければいけない、あの方はそんな危険なところにいらっしゃる、本当なら今こそおそばにいてあげなければならないのだ。

――私たちは本当に結婚できるでしょうか。

英之助のそう云った意味が、節子には初めて理解ができた。眼をつむると見える、岩の蔭、藪の茂み、断崖の上に、野獣のように身をひそめている人間の姿が。……弓に矢をつがえ、息をころして、桟道を通る人を狙っている。