Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おじょろうぐも
お女郎蜘蛛
宮本 百合子
Leggi お女郎蜘蛛 (おじょろうぐも) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.913 caratteri · 26 schermate
あてどもなく二人は歩き廻って夜が更けてから家に帰った、ポーッとあったかい部屋に入るとすぐ女はスルスルと着物をぬいで白縮緬に女郎ぐもが一っぱいに手をひろげて居る長襦袢一枚になって赤味の勝った友禅の座布団の上になげ座りに座った。浅黄の衿は白いくびにじゃれる蛇の様になよやかに巻きついて手は二の腕位まで香りを放ちそうに出て腰にまきついて居る緋縮緬のしごきが畳の上を這って居る。目をほそくして女はその前に音なしく座って居る男を見つめた。
「そんなに見つめるのは御よし、私しゃ生きて居る人間で鏡じゃあない」
「ほんとうにいかにも人間らしい男らしい方ですわ、男のだれでももって居る馬鹿な事をあんたはちゃんともってるんですもの――ねえ」
女は笑いながらこんな事を云った。胸のフックリしたところにさっき自分をつっついて居た針の光ってるのを見つけて
「針を御すて早く、あぶない」
と男は不安そうに云った。
「あんたがこわいから? ほんとにさっきは面白かった、先にどくでも塗ってありゃあなお面白いんですわ」
「それで私が段々紫色になって死ねばサ、そうだろう」
「エエ、わたしゃ人間の死骸と蛇と女郎ぐもとくさった柿がすき」